土方歳三 (上)
読了日:01月01日 著者:富樫 倫太郎
評価:★★★☆☆
抜粋:また袖で目許をこする。どうにも涙が止まらなかった。
所感:上巻では、歳三の十代から池田屋事件まで。歳三が少年漫画の主人公のように、カッコよく、時にクサく描かれており、とても読みやすい。一気に読み終えてしまった。半分くらいはバラガキ時代のストーリーに割かれ、奉公での失敗、近藤勇や沖田総司との出会い、不器用な恋愛についても人間クサく描かれている。男気の近藤、おちゃらけキャラの沖田、参謀として冷徹な一面もみせる歳三。総司の歳三イジリについニタニタしてしまう。総司が病に倒れ下巻へ。楽しみ。
ホテルローヤル
読了日:01月03日 著者:桜木 紫乃
評価:★★★☆☆
抜粋:バブルバスより恵の台詞「わたしは、気づかなかったよ」
所感:ホテルローヤルを舞台とした短編集。”シャッターチャンス”を読んでいるときには、何かこの作品合わないかも…となったが、”えっち屋”を読んでいるときに、「ん?!なるほど…」とカラクリに気づいた。以降は、前のページへ行ったり来たりしながら読み進めた。1部屋だけ使用後だった理由、廃業へのとどめとなった事件、穴ぼこだらけの看板… 点と点がつながる。登場人物は平凡。優れた容姿や、特別な才能があるわけではない。そこが生々しい。
ピーター・パン Peter Pan (ラダーシリーズ Level 1)
読了日:01月07日 著者:ジェームス・マシュー・バリー
評価:★★★☆☆
抜粋:ピーターの台詞”I don’t want to be a man! No one is going to catch me and make me a man.”
所感:長文を読むと集中力が切れるのを、多読することで少しずつでも克服したいと手に取った本。本書の難易度は”Level 1”で、初歩的な易しい単語のみで構成されている。ディズニーで登場人物をなんとなく知っていただけだったので、意外な結末だった。大人になりたくない大人たちを、ピーターパン症候群と呼ぶ所以が分かった。
室町耽美抄 花鏡
読了日:01月12日 著者:海道 龍一朗
評価:★★★☆☆
抜粋:奥書には、天見の極意についてなど一言も書かれてはいなかった。‐初心、忘れるべからず。
所感:戦国時代や幕末については触れる機会が多いものの、室町時代ってどんな時代だっけ?っとなり本書を手に取った。申楽、禅、茶と室町文化がどのように発展していったかの理解が深まった。一見別々のストーリーのようで、登場人物がクロスオーバーする。禅竹が世阿弥の死を静かに悼む場面には胸を打たれた。
古代への情熱―シュリーマン自伝
読了日:01月15日 著者:シュリーマン
評価:★★☆☆☆
抜粋:大きな声でたくさん音読すること、ちょっとした翻訳をすること、毎日一回は授業をうけること、興味のある対象について常に作文を書くこと、そしてそれを先生の指導で訂正すること、前の日に直した文章を暗記して、次回の授業で暗誦すること
所感:語学の勉強方法として、少年時代の物語は楽しめた。その手法は只管朗読に通じるところもある。後半に読み進めるにつれて、いかにシュリーマンが優れているか、その人脈についてもくどくどと語られ、次第に辟易する。違和感を感じて調べると、彼の発掘には批判もあるようだ。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
読了日:01月20日 著者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
評価:★★★★☆
抜粋:貧しい国の所得レベルは上がっていて、物事はいい方向へむかっているのを教えよう。
所感:【Audible】図を見たいと思ったら、AudibleのページにPDFがあって助かった。人は無意識に、よりネガティブで、よりドラマチックに物事を捉えてしまうものなのだと気付かされた。”おわりに”では、娘さんの視点でハンス氏の執筆中の様子が語られる。末期のすい臓癌で、死期を知りながらも、『世界はよくなってるんだよ。』と伝えたかったのか。その想いに胸を打たれた。本書の指摘を意識し、世界を正しく見たい。
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
読了日:01月22日 著者:藤野 英人
評価:★★★☆☆
抜粋:私たちが社会を直接変えるための主な手段は「投資」か「選挙」か「消費」です。
所感:成長する会社と、そうでない会社のパターンが紹介されている。わりとあたりまえな”あるある”が並んでいて、中にはクスっとくるものもあった。6章で語られる”ナオコの原則(ナカマ・オコナイ・ココロ)”、特に”ナカマ”の部分が核心をついていると思った。会社で得る給料は全てお客様からもらっているもの。お客様を大切にすること。従業員とその家族、関連会社、株主を大切にすること。それをなくして良い会社とは言えない。
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込
読了日:01月23日 著者:若林 正恭
評価:★★★☆☆
抜粋:大丈夫と言うことから大丈夫は始まるのだ。
所感:オードリー若林さんのエッセイ集。面白くて度々吹き出した。イタイと思われようが、自分の思っているがままを曝け出せるのがかっこいい。読み進めるにつれ、少しずつ社会に調和する様には、勇気をもらった。”穴だらけ”で、日々のチャレンジを黒ひげ危機一髪に例える表現が好き。何かして(剣を刺して)、何かが起こらなくても(海賊が飛び出なくても)、穴を一つ塞いで確率は上がっている。”あとがき”では、過去の作品を振り返りながら、著者が自分の成長に気づく。
パパになった旦那よ、ママの本音を聞け!
読了日:01月24日 著者:野々村友紀子
評価:★★★☆☆
抜粋:たまには甘いものでも買ってきてくれていいんやで!
所感:著者の作品、”あの頃の自分にガツンと言いたい”と同じようなスタイルで、世の中のパパ達にガツンと本音をぶつける。あるあるネタが面白くて、涙が出るほど笑った。一人のパパとして、耳の痛い指摘もあり、気を付けようと思った。パパ芸人座談会では、演出もあるのか小堀さんがあまりにポンコツ。一方庄司さんは積極的に育児参加していて好印象で、筋肉見すぎのくだりには爆笑した。形ばかりの制度でなく、男性が育児休暇を当然に取れる社会になることを願う。
劇場
読了日:01月24日 著者:又吉 直樹
評価:★★☆☆☆
抜粋:沙希の台詞「わたし、お人形さんじゃないよ」
所感:【Audible】無料だったので聴いた。ピース又吉さんの作品。劇作家の主人公、永田がただただ気持ち悪いし、身勝手。恋人の沙希が少しでも救われる展開に期待して、聴き進めるも、振り回されるばかりで不憫。おそらく共感性羞恥からか、聴いているのが苦痛になってきてギブアップか?っというところで終わりを迎えた。救いようのなさ、不快感が残った。なんだか文章をこねてこねて、こねくり回して、結局何なんだこれは?と迷子になった。私には難しかった。
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
読了日:01月27日 著者:伊藤 羊一
評価:★★★☆☆
抜粋:うまく話す、きれいに話す、かっこよく話す…どうでもいいのです。相手が動いてなんぼ。
所感:プレゼンにフォーカスされているが、日常の会話やメールを、伝わりやすいようにするヒントが欲しくて読んだ。常識的な事が多いが、聴き手に伝え、行動してもらう事に徹している。『結論 – 根拠×3 – 具体例 各根拠に1~2』 でピラミッドを形成し、PREPで話すのがシンプルでよいと思った。本書でも度々出てくるが、ゴールは聴き手に動いてもらう事。小手先のテクニックより、泥臭く準備や根回しをするしかない。
金閣寺・銀閣寺の住職が教える 人生は引き算で豊かになる
読了日:01月29日 著者:有馬 賴底
評価:★★★★☆
抜粋:過去に囚われるでもなく、未来を恐れるでもなく、それでいて今という時間を、無為に過ごすのではなく、今この瞬間をしっかりと生き切る。
所感:消費者の心を操り、大して必要のない物を、さも必需品であるかのように売りつける消費社会。消費することも、消費を促すように働くことにも疲れてきたなぁ… なんて心が弱っているときに本書を読んで優しく元気づけられた。ミニマリズムの流行で、ミニマリストという肩書が蔓延っているものの、何か欠けているような違和感があった。求めていたのは禅の教えなのかもしれない。
1月の読書について
1月の読書メーター
読んだ本の数:12(本×10、Audible×2)
読んだページ数:2998
ずっと気になっていてたAudibleを試してみた。
2~2.5倍速がテンポよく聴ける。
隙間時間をより有効活用できるので、しばらく続けてみようと思う。
まだ始めたばかりだけど、月毎に読了した本を振り返ると、色々と発見があってよい。
今年は三国志を読みたいな!(1月は三国志1冊も読んでないけど)
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