コンビニ人間 (文春文庫)
読了日:11月28日 著者:村田 沙耶香
評価:★★★☆☆
抜粋:(白羽の台詞)『この世は現代社会の皮をかぶった縄文時代なんですよ。』
所感:主人公は独身・彼氏なし・処女の36歳、古倉恵子。両親、妹に愛され、”普通な家庭”で育った恵子は、自身の”普通”でない部分に気が付いていく。コンビニでバイトを18年間続けながら、世間の”普通圧力”に生きづらさを感じているようだ。もう一人の”普通”ではない登場人物、白羽。彼は重度の中二病。利害関係が一致し、謎の共同生活を送る。二人のもがく姿に共感してしまう。頼むからそっとしておいてくれ。そんな叫びが聞こえる。
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 断捨離からミニマリストへ –
読了日:11月25日 著者:佐々木 典士
評価:★★★☆☆
抜粋:「記憶」の持ち主を失ったとき、そのモノは価値を失ってしまう。
所感:ミニマリストの入門書。捨てる方法リストや格言等の引用で、物を手放す為の勇気を与えてくれる。引用の中で興味深かったのが、400年前の貴族、ラ・ロシュフコーの名言。 ”我々は、幸福になるためよりも、 幸福だと人に思わせるため四苦八苦している。” SNS疲れなんて言われてますけど、400年前から同じような事をしてるのね。他人と比べて、見栄を張ることを手放す。足るを知る。モノに依存しないマインドセットに役立つ。
新世界より(上) (講談社文庫)
読了日:11月13日 著者:貴志 祐介
評価:★★★★☆
抜粋:PK後の社会では、社会の構成員全員が核ミサイルのボタンを所有しているのと同じ
所感:主人公の早季が、過去を振り返るように物語が始まる。ここはどこなんだ?『クリムゾンの迷宮』、『ダークゾーン』を読み始めた時と同じ感覚になる。読み進めていくと、舞台はどうやら1000年後の日本。人々は呪力を使えるようになっている。この力に隠された秘密は?学校の中庭の役割は?筑波山キャンプではぐれた瞬たちの状態は?キャンプのあたりから、読むのを止められず、一気に上巻を読破…たくさんの伏線を残して中巻へ。
新世界より(中) (講談社文庫)
読了日:11月18日 著者:貴志 祐介
評価:★★★★☆
抜粋:富子の台詞『唯一恵まれていたのが……時間なのよ』
所感:筑波山でのキャンプから命からがら帰還し、舞台は再び学校へ。早季達は仲間が処分されても何も変わらないかのように過ごしていたが、違和感のピースを集め、記憶が操作されている事に気づく。謎だった学校の中庭の役割、人類の存続を守る為の管理・選別、業魔の正体…次々と明らかになっていく。早季の一生徒としての視点と、体制側からの視点。早季はどの立場から、この記憶を語っているのだろうか?夢中に中巻を読み終えてしまい、残すは下巻。とても楽しみ。
北条氏康-二世継承篇 (単行本)
読了日:11月11日 著者:富樫 倫太郎
抜粋:(氏綱が氏康らに)”命は、ひとつしかない。なくしたら終わりなのだ。”
所感:氏康の幼少期の物語で、メインはどちらかというと父の氏綱や、軍配者の小太郎。作者のあとがきにあるように、「努力・友情・希望」が主題というだけあって、歴史物初心者の私でも、ジャンプの漫画を読んでいるかのように読み進められた。終盤でやっと元服し初陣へ。初陣後、氏綱の氏康や家臣に対する愛情のある叱責には涙がでた。続編に期待。
ダークゾーン 上 (祥伝社文庫)
読了日:11月02日 著者:貴志 祐介
評価:★★★★☆
抜粋:真っ赤なオーラを身にまとっている理紗は、美しかった。
所感:”クリムゾンの迷宮”のように、ここはいったいどこなんだ?という状況から始まる。現実なのか、仮想世界なのか良くわからない世界のダークゾーン。一戦ごとに、現実世界での記憶、ストーリーが語られる。主人公も少しずつ記憶の手がかりを思い出し始め、それが読者へのヒントととなっている。読み始めたらとまらない。下巻に期待。
ダークゾーン 下 (祥伝社文庫)
読了日:11月07日 著者:貴志 祐介
評価:★★★★☆
抜粋:戦え。戦い続けろ。
所感:将棋のようなボードゲームの戦い方を、塚田は実践を通して理解していく。下巻でも、奥本の方がやや上手。これは将棋での実力差が反映されているのだろうか。対局の間で語られる、塚田の記憶は、いよいよ真相へ。塚田のクズっぷりが明らかになる。最後の最後で、赤軍、青軍、それぞれのメンツに納得した。読み終えた後すぐ、また最初から読み直したくなった。
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